補正下着は魔法のアイテムではありません。
「着けるだけですぐ痩せる!」「何もしなくても誰もがAカップからDカップに!」という宣伝文句はよくありますが、とても怪しいです。
そのまま鵜呑みにしてしまうと、買った後にがっかりしてしまうでしょう。




補正下着はバストに効果がない?
補正下着は着けていれば何をしても大丈夫というものでも、着けていないとボディラインが崩れてしまうというものでもないのです。あくまでも体のサポートアイテムの1つ。
正しい使い方や効果を知らなければ、着けても何も変わらなかったと不満を感じてしまうかもしれません。
補正下着が体のどの部分に作用しているかを知り、体に意識を向けながら日々の生活に取り入れてみましょう。
補正下着はなぜ必要?補正下着がもたらす効果とは
海外の映画で、昔のお姫様がきついコルセットで体を締めつけてからドレスを着るシーンを見たことはありませんか?
あのコルセットも補正下着のうちに入ります。
そう考えると、補正下着は「一時的なスタイルアップ目的のもの」「締めつけがキツすぎて体に悪そう」というイメージがわいてしまいますが、現在販売されている補正下着は一時的なスタイルアップだけを目的としたものではありません。
補正下着を着けることでどのような効果が得られるのでしょうか?
脂肪の位置を正しく整える
女性の体は10代後半~20代前半でほぼ完成すると言われています。その後は年齢を重ねるごとに変化していきますが、美容にとってはあまりいい変化ではありません。
さまざま起こる変化のうちの1つが、筋力の衰え。バストを支える筋肉・ヒップを支える筋肉・お腹を支える筋肉など体中の筋肉が衰え始め、脂肪へと変わってしまいます。
脂肪はとても柔らかく、重力に従って垂れていきます。しかも脂肪は動いてしまいやすく、バストの脂肪が垂れればお腹に、ヒップの脂肪が垂れれば太ももへと移っていきます。
その結果、下半身太りへとつながってしまうのです。
補正下着をつけることで脂肪を持ち上げて支え、正しい位置に整える効果があります。
姿勢の矯正
年齢とともに背中や腰の筋肉が衰えると、支えるものがなくなり姿勢が猫背になっていきます。
鏡で胸を張ったときの体の状態と、猫背になったときの体の状態を見てみてください。胸を張った状態の方がバストは上にあがり、下腹部がへこみ、お尻も上にあがっているはずです。逆に言えば猫背でいるとバストが垂れ、下腹部が出て、お尻も垂れてしまうということです。
また、座り仕事やヒールの高い靴で前のめりの姿勢になってしまうことが多い場合もスタイルの崩れにつながっています。
座ったままの姿勢やヒールの高い靴での歩行によって姿勢が前に傾くと、常に体の前面に力がかかり、前面の筋肉が縮む方向にばかり働いてしまいます。その結果、太ももの前側ばかりが張り出すように太くなってしまうのです。
さらに、体を前に傾けた姿勢を続けていると左右の座骨が外側にずれ、骨盤に歪みが生じてお尻が横に大きくなってしまいます。
姿勢が乱れるだけで下半身全体が太くなってしまう原因になるなら常に姿勢に気を配っていなければいけませんが、それはかなりの難問。姿勢が悪いのは自覚しているけど気付けば背中が丸まってしまう、という方がほとんどではないでしょうか?
補正下着には腰回りを固定して支え、姿勢を正す効果があります。
常に補正下着が体を支えていてくれるため自分で姿勢を意識する必要がなくなり、無理なくボディラインを整えることが可能です。
さらに太ももやお尻周りを補正するタイプの下着であれば、骨盤の歪みも改善してくれます。
脂肪燃焼効果
姿勢を矯正することはダイエットにもうれしい効果が。
姿勢を矯正することで今まで使っていなかった筋肉を動かすことになり、動いた部分の血行がよくなり、代謝が上がります。
代謝が上がることで脂肪が燃焼されやすくなり、引きしまったボディを目指すことができます。
食欲の抑制
ウエスト周りも補正する下着であれば、胃が押されて食べ過ぎを抑えることができます。
ただし、これは「いつも胃が苦しくなるまでつい食べ過ぎてしまう」という人に限った効果です。
元々食が細いのに厳しい食事制限を乗り切るためにお腹をきつく締めつけると、血流を妨げて逆に体調不良を招き、ダイエットも停滞させてしまいますので要注意!
バストに効果的な補正下着ってどんなもの?
補正下着にはいくつかの種類があります。種類ごとに体のどの部位に作用するのかが変わってきます。
ボディスーツ
胸から下半身まで繋がっているタイプ。レオタードのような形状をしています。バスト・ウエスト・ヒップまで適度な締めつけで補正するバランス型。
バストはしっかり寄せ上げてふっくらとしたボリュームを持たせ、ウエストからヒップはきゅっと引きしめることで、メリハリのあるボディに導きます。
ウエストニッパー
背中からウエスト部分を引きしめる目的のもので、ワイヤー入りのものとノンワイヤーのものがあります。長さもアンダーバストからヘソ上ほどの長さから下腹部までカバーしてくれるものがあります。
腰回りを支えて姿勢を整え、ウエストにくびれを作ることに特化したタイプ。
ガードル
下腹部から太ももまでを引きしめるパンツタイプ。主に下腹部のぽっこり改善や、ヒップアップを目的としています。
締めつける箇所にこだわり、筋肉や骨盤を刺激することで脂肪燃焼を助ける効果を持つ商品も。
下腹部まである長さのウエストニッパーを着けたときに座ると丸まってしまうことが気になる場合は、ウエストニッパーでお腹の上側を補正し、ガードルで下側を補正するといった形で使い分けることもあります。
ショーツ
ショーツタイプの補正下着は、下腹部のぽっこり改善・ヒップアップ・骨盤矯正を目的としたものです。
アウターに響きづらく、他のタイプに比べて締めつけ感も少ないため、補正下着初心者におすすめです。
ブラジャー
育乳ブラとも呼ばれているブラージャータイプ。
バストの肉を寄せて上げて、美しい形に整えて固定することを目的としたものです。
バストが垂れたり、肉が背中や腹など他の場所に流れてしまうのを防ぎます。脇高でバストの横流れに対する補正効果が高いのが特徴。
商品によっては肉をバストに集めるだけではなく、大胸筋やバスト周りのツボを刺激することで血液やリンパの流れを促し、バストの成長を促す効果を持つものもあります。
ワイヤー入りとノンワイヤーのタイプがあり、昼に着けるか夜に着けるかで使い分けます。
以上5種類の中で、上向きの美バストを目指すならもちろんブラジャータイプは必須。
昼はワイヤー入りのものを選び、バストが上下に揺れるのをしっかりと支え、夜は安眠を妨げないようノンワイヤーまたは柔らかいボーン入りのものを選び、バストの肉が脇や背中に流れてしまうのを防ぐのがおすすめです。
しかし、猫背によってバストが下に垂れてしまっている可能性もあります。
姿勢が悪いかも。。。と自分で感じている場合は、ブラジャータイプとウエストニッパーを併用することで、背中から腰周りまで補正して姿勢を整えていきましょう。
補正下着のデメリットや注意点は?
補正下着もいいことだけではありません。購入後に満足感を得るためにも、補正下着のデメリットや注意点を事前に知っておきましょう。
価格が高い
補正下着は普通の下着よりも機能性に優れているため、そのぶん価格が高くなります。安いものは数千円~高い機能を求めると全身で数十万かかってしまうことも。
さらに人の悩みを解決する効果を持つ商品には、誇大広告や強引な勧誘もつきもの。
「着けるだけですぐ痩せる!」と根拠を提示することなく即効性をアピールしたり、「これくらいの値段のものを買わないと効果はありません!」と高価な商品を売りつけられるケースもあります。
求めている効果と値段をしっかりと見定めて、無理のない範囲内で購入しましょう。
血行が悪くなる
補正下着の締めつけ感が苦しいと感じながら無理をして着用し続けたり、補正効果が高いような気がするからときついサイズを選んだりすると、期待していた効果とは真逆の結果を招いてしまう危険性があります。
体をきつく締めすぎると血流を妨げ、血行が悪くなってしまいます。
血液は体内に酸素や栄養を運び、老廃物を回収して排出させる働きを持っています。そのため、血行が悪くなることで酸欠状態になったり、むくみやセルライトの原因になったりと、美容にとっては悪い影響ばかり。
ブラジャータイプの場合、血行が悪くなりリンパの流れが滞ることでバストに栄養が行き渡らなくなり、バストを構成する組織を衰えさせる原因にもつながってしまいます。バストアップどころか垂れてしぼんでしまう結果に。
さらに血行が悪くなることで体が冷え、代謝が落ちて痩せにくい体になってしまいます。自分の体型が気になっているときには絶対に避けたいものです。
補正下着は、きちんと自分の体に合ったサイズを選ぶようにしましょう。店頭で試着するか、返品可能な通販を利用することをおすすめします。
肌荒れの原因になる
補正下着は硬い生地が使われていることが多いため、摩擦で肌にダメージを受け、黒ずみの原因になってしまうことがあります。
きつく締めつけすぎて血行が悪化すると、肌のターンオーバーが乱れ、ニキビや肌のくすみを招く原因にも。敏感肌の場合、生地が肌に合わず痒みがでてしまうこともあります。
肌トラブルを避けるためにも補正下着は自分のサイズに合ったキツすぎないものを選び、擦れて痛みを感じた場合は着用を中止しましょう。
ストレスで自律神経が乱れる
キツい、苦しいと感じながら補正下着の着用を続けていると、心身ともにストレスを感じ続けて自律神経が乱れてしまいます。
自律神経はさまざまな内臓を動かし、体を元気に動かす機能を持っています。自律神経が乱れると内臓機能が弱ってしまい、食べ物の消化や代謝など体のあらゆる動きに悪い影響を与えてしまいます。
さらに寝つけなくなったり、体の冷えやだるさを感じたり、ひどくなるとうつ状態になってしまったりと、精神面にも影響が及びます。
補正下着の着用では無理や我慢をせず、程よい締めつけのものを選びましょう。
着け方が難しい・面倒
補正下着の着け方はタイプごとに異なります。
ボディスーツの着け方
- カップ部分を外側に折り、両足を通し、下からウエスト部分まで引き上げる。
- カップの下の部分をアンダーバストに合わせ、ストラップを両肩にかける。背中部分もずれていたら引き上げて体にフィットさせる。
- 前かがみの姿勢になり、右側のバストを左手で包んで左上方向に引き上げ、カップにおさめる。左側のバストも同様に整える。
- 上半身を起こしてストラップの長さを調節する。
ウエストニッパーの着け方
- 苦しくなりすぎない位置でホックを留める(紐で締めるタイプの場合は、苦しくなりすぎない程度に紐を引っ張る)。
- ブラとウエストニッパーの間に隙間ができないように位置を整える。
ガードルの着け方
- ガードルの上部を外側にくるくると巻き、両足を通し、太ももの付け根まで引き上げる。
- 外側に巻いた部分を引き上げ、一番上の部分をウエストの位置に合わせる。
- 後ろからガードルの中に手を入れ、ヒップの肉を持ち上げて形を整える。
- 裾とウエスト部分が折り曲がっていないかをチェックし、整える。
ショーツの着け方
- ショーツの両脇部分を掴み、ウエストまで引き上げる。
- ヒップのふくらみをつぶしたり食い込みすぎないように、裾部分の位置を調整する。
- ウエストラインが平行になっているか、ショーツがヒップ全体を包み込んでいるかをチェックする。
ブラジャーの着け方
- ストラップを肩にかけ、カップの下側をアンダーバストの位置に合わせてからホックを留める。
- 前かがみの姿勢で、ボディスーツの3と同様の手順でバストをカップにおさめ、形を整える。
- ストラップの長さを調整し、バストの肉がはみ出していないかチェックする。
- 前後のアンダーラインが水平か(前下がり・後ろ上がりになっていないか)をチェックする。
補正下着のポイント!
- 店頭で試着するか、返品可能な通販を利用する
- 自分の体に合ったサイズを選ぶ
- 着用時にきちんと整える
- 着け方に時間がかかる
- トイレに行くたびに直す
- 体を動かしてずれた場合にも直す
補正下着は脂肪を正しい位置に固定させるもの。きちんと着用すれば脂肪を動かしてくれます!


